年下彼氏




***



中学の時みたいになるのが嫌で、顔を隠すように下を向いて歩くようになった。

前髪を長めにして、顔を見せないようにした。

やっと前を向いて歩けるようになったのは3年になる少し前だった。

そんなふうに地味に生きてきた私だったから、亮介が私のどこを好きになったのか不思議だ。



それから、ようやく今井先輩に気持ちを伝えられたのが、1ヶ月前の合宿中。

伝えようと思ったのは、亮介の言葉があったから。



“2年間の気持ちがもったいねーよ”



亮介がその言葉を口にしなかったら、私の今井先輩への思いは、まだ心の中で燻ったままだった。

亮介がそう言ってくれたこと、感謝してる。



だからその日、メールで伝えた。

理由も何も教えずに“ありがとう”の、たった5文字だけで。