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「・・・でっ、なんなんですか!沢藤さん!教えて、くださいよっ!!」
「お前な、走りながら、・・・しゃべれるかよ!」
「トレーニング!」
「バカか!後で!とりあえず、真面目に、走れ!」
とりあえず、規定の距離を走り終えて監督にもう何周か歩いてきますと伝えて今に至る。
監督にもマネージャーにも怪訝な顔をされ、早くしろと言わんばかりの亮介に急かされて、広いグラウンドに出た。
「で、なんなんですか?中学の頃、美奈子なんかあったんですか?」
マジな顔で聞いてくる亮介に苦笑する。
野球でも私生活でも、生意気で可愛げのない後輩が佐藤のことにだけこんなに弱いとは意外だ。
女なんていっぱいいそうなのにな。

