・・・なんだ、そんなこと。 「やだな、たまたまだよ。だって見てあれ。二人して息上がってるし。何してんだろ」 「ねぇ、知りたくなってるんじゃないの?」 「・・・何を?」 あ、監督に怒鳴られてる。 怒鳴られて大人しく走る二人にまた少し笑えてくる。 「好きなものが何か、とか。友達とはどんな話するのか、とか。知りたいから気付かないうちに目で追ってさぁ・・・」 隣に座った真紀が私と同じ視線で同じ方を見る。 視線の先には亮介と沢藤。