“女”という存在は、未だ自分の中で嫌悪の対象ではある。



ただ、そんな中で美奈子だけは特別だった。

まっすぐに今井先輩だけを見つめていた彼女は、今まで見たことのない女だった。



他には目を向けない。

いつもただ一人を想ってる。

傷ついたり、笑ったり、泣いたりしながら、真剣に恋をしている彼女を、好ましく思った。



美奈子の言動に一喜一憂して、陰ながら応援して、いつの間にか美奈子が今井先輩を見るように、自分が美奈子を見ていた。