「しょうがないな・・・」
めんどくさそうにのそのそと体を起こして美奈子は隣に座り直した。
乱れた襟や裾を直す美奈子を見てため息をつく。
いつもはおろしてる髪をまとめてるから、白いうなじが目立つ。
でっかい黒目がちな瞳に、うっすらと化粧した顔。
普段から可愛いというより綺麗な顔をしてる美奈子は、浴衣を着ると大人っぽさを増す。
我ながらよく欲求に勝ったもんだ・・・と、自分の意思の強さを誉めておく。
「・・・退くのやだって言ったら、亮介はどうしてた?」
着崩れた浴衣を直していた美奈子が、とんでもない質問を口にした。

