「あ、おう……」
そう言うと、コホン…とわざとらしい咳払いをした。
(なにその咳払い、むかつくんだけど)
そして、真剣な眼差しで僕を見つめる
だから、(見つめてくんのきもいんだけど…)と思ったことは秘密にすることにした
「実は俺、幽霊ってヤツが見えるんだ」
『……』
「引くのは傷付くからやめて」
べつに傷付いても気にしないけど
『……わかった。でそれが?』
僕は優しいので信じてあげた
なのにこいつは、僕がそう言うと何とも驚いた顔をした。
なに、その顔。
ばかみたい。……あ、ばかだった。
「失礼なこと言うんじゃねぇえよ!!」
『僕は言ってないもん』
「言ってるんだよ!!はっきりと!!……って……また逸れるとこだった」
あぶねぇ……と額を抑えてため息をつく彼。
「………でだが。おまえ信じるのか?」
『……信じるよ。なに、きみはそのことに驚いていたわけ?』
きみこそ失礼だよね、それ。
「だって、俺のことも信じてねぇーんだろ」
勝ち誇った顔で言う彼。
もちろん、あれは冗談。
彼のことは寧ろ、かなり信じている
彼もそのことを知っているから、ああやって返してきた。
いまはそれが裏目に出てるけど
だから
『うん』
僕は頷いた
「うん、じゃねぇーよ!!?」
『むかつくんだもん。で、また逸れていくけど?』



