……気配に敏感。たしかに烝くんが言っていた通り間者に向いてるかも
でもさ、俺は信じるよ
さっきの覚悟をする表情をみて思った
彼女、否彼はきっと俺らになにかを教えてくれる、俺らを守ろうとしてくれる……そして、俺らもそんな彼に…
ま、ただの勘なんだけどね
「烝くん、俺甘くてもいいと思うよ」
そうぷつりと呟く
同時に天井からぎしりと音が聞こえた。……大方、烝くんだろう
めずらしいなあ、動揺するとか
「っはは……ねえ、河合。明日、がんばってね。」
相手はだれだっけ?
たしか…………
総司………………
がががが、ががんばれ……
うん、俺応援してる……うん、死なないように……うん……()
「大丈夫かな……河合」
襖の隙間から空が見える
……曇り空……
「ってあ!!左之さんたち……!わすれてたあー!
……はあ、またあそこなのかなあー…俺が酒飲めないの知ってるくせに…っもう、いつか絶対仕返ししてやる!」
そう慌ただしく出て行く藤堂。
藤堂が出ていった部屋は、少し寂しげな色を見せていたー。