ーーだけど、僕は思ってた。
どこかで。
成仏をさせる、一さんの未練を解消させる、そのための前座でしかなかったから
入る努力なんか、してない
剣術はある程度してきてるし
自分の強さも自負しているくらいだ
もしかしたら、ここの平隊士よりも…
だけど、僕にはここの人達に圧倒的に負けてる
そうだ、僕にはここで……この''時代''で生きていく覚悟なんて…持ち合わせていない
そんな僕が
今までしたことない、死をみたことのない僕が……
人の命を奪う覚悟なんて……
『…………っ』
僕は、いつも人をばかにしてた
だけど
本当にばかなのは自分だ
たしかに、この未練解消は一矢に頼まれただけの半ば、嫌々だった
自分でやれよ、と毒っ気ついてた
一矢もしたかったはずなんだ
それでも、それでも
僕に頼まなければなかったんだ…
気づけなかったんだ…………
ーーほんと、僕ばかだ…



