『ねえ、沖田さん!その新撰組のと……「きゃぁあああー!!!?」………………はっ?』


僕が沖田さんに屯所の案内を頼もうとした途端、遮るように響いた叫び声。

声からにして女の人っぽい


そして頭に思い浮かぶのは、あの王道な場面…やな予感…



「離してくださいっ!!」

その声の主を探し、目を向ける。

そこには、女の人がふたりの男の人に手首を掴まれナンパされていた


わー、綺麗な子


結構、美人さん多いね京都


「いいから来いよっ」

「そーだぜ?それに大人しくオレらに付いてきた方がねぇーちゃんも安全だぜぇ?」


……周りにいるおとこ供、きもい

絶対、安全じゃないじゃん



「はなせって言うてるやん!しつこいのうちきらいやねん!」


おお、女の人強い…


でもおとこの力にはやはり勝てないのか、だんだんと距離が近くなっていく気がする


……んー、助けてあげる?


と僕が考えていると、隣から視線を感じたので隣に座っている彼に目を向ける


『なに』


僕がそう言うと、彼はにっこりと微笑んだ


「助けに行かないんですか?」


いや、きみが行きなよ。てか、きみ新撰組なんだから行かなきゃでしょ


《総司は、そんな優しい奴じゃない》


一さんにまで言われるなんて…まあ、薄情っぽいけど