「お嬢さーん!団子やで!ゆっくりしていってな」
……うん、聞けなかった…
佐紀ねえから団子をもらうと、僕は彼に目を向ける
『……』
「あの人わざとでしょうか?」
どうしよう、この人真っ黒な笑みして
真剣に手をつけてるよ
そして、なんか僕と同じ匂いがする
『やめなよ?ここでそんな問題起こされたら、僕も目立っちゃう』
「……だめ、ですか?…」
しゅんとしながら言う彼
当たり前でしょ
てか、この人何者?
刀持ってるってことは武士なんだよね?
『ねえ、きみって何者?』
僕、得体の知れないものとか大キライなんだよね
「あ!そういえば……改めて、おきた そうじです!『それ、さっきも言ってたよ?』だーからっ!違うんです!僕が言っているのは名前なんです!」
『名前……え、じゃあ幼名は?』
……ねえ、この人もしかして…
「宗次郎ですけど、何ですか?」
やっぱり……
『きみ、新撰組の沖田 総司?!』
「だーからっ!そう言ってるじゃないですかぁー!」
…………まじですか



