『……まだかなあ』


《流唯、頼んだばかりだ》


……待てないよ、僕。


『…………はあ』


それにしても……視線痛いな


そう、先程も話した通り僕を密かに……いや、ガン見している傍観者が多い。

まあ、この顔だし?当たり前だよね


……は冗談だけど



僕の服装を見れば直ぐにわかる。

僕は結局、着物を着ずに現代にいた時と同じ服を着ている。

ってことはだ。ここの時代のものではないことは確か。


そう考えると分かるでしょ?


ん、正解。


僕はこの人達からして、未来に販売される服を着ているのだ。


ま、ガン見するのも仕方ないよね。
(佐紀ねえからは反応なかったけど)

僕だったら確実に『きみ、バカ?』なーんて毒を吐くに決まってる


……ってことは、こいつらも僕のことをバカにしてるのかな

まあ、いっか。その時は感情をもつことができない身体にしてあげよっと


《流唯、やめとけ》


ちぇ〜。楽しいのに



《それは流唯だけだ》


そんなことないよ

きっと一さんも楽しいよ?


《俺にそういう趣味はない》


僕もだけどね

てか、あれ冗談だし

まあ、一矢だったら冗談じゃなくなるけど



「ねえ、貴女はどうして刀を持って歩いてるんですか?」


突然、隣から聞こえた声。しかも声の大きさからにしてかなり近いとみる

……で、肝心なのはだれにこの言葉を言っているか、だよね


僕じゃないよね?だって、この人「貴女」って。

それなら、僕じゃないでしょ

僕、一応おとこだし

それに、知らない人だもん


「貴女ですよ!貴女!」


肩を揺すられながら、肩を揺すってきた相手をみる。