『斉藤…一……』
ねえ、いま……すごい名前聞いたような……
「?そうだが…」
『斉藤一ってこんなにイケメンだったんだ…』
「池、面とは?」
『なんか字が違う気がするけど、まあ…いっか。』
と肩を下ろして言うと、斉藤一さんは「なにかあったのか?」と天然を発揮していた
『いえ、じゃあ行きましょうか』
お代を出して店から出ると、神社へと向かう。
『あの斉藤さんって』
「一でいい」
『あ、はい……えと、一さんって』
「なんだ?」
『もしかして、一矢のご先祖様とか?』
「ああ…そうなるな」
やっぱり、そうなんだ。
全く似てないのにね
『似てないですね』
「一矢は少し、頭のねじがはずれているんだ」
『それ、やばいよね』
と他愛のない話(?)に花を咲かせていると、僕の家からでも徒歩で行ける距離にある所謂、近場の神社に着いた。
『着きましたよ』
「此処が…。うん、いい神社だ」
『神社、好きなんですか?』
「ああ、嫌いではない」
まあ、嫌いな人はいないね。
神社はやっぱり他の場所とは違い、なんかパワーみたいなのを感じるし
「此処らで良いか…。」
ある程度、敷地に入ると一さんは立ち止まり言い放った
そして、後ろに立っていた僕に目を合わせ口を開く
「俺の未練なんだが……総司などの大事な隊士の運命を……いや、新撰組の歴史を変えて欲しいんだ」
『……総司ってあの天才剣士?』
「ああ、総司は強い」
そう嬉しそうに言う一さん。
うん、なんかズレてる気がするけど
……かわいいですね、一さん
『あ、そ、そうっすか…』
ちょっとなんて返したらいいか分かんないけど



