『でその未練というのは?』

「あ、おう…。その…タイムスリップ的なものをしなきゃいけなくてですね…」


………………。


どうしよ、こいつ頭やばくなったのかな



「引かないでっ?!あと、俺が可哀想みたいな目して見ないで?!」


『……はあ。』


「やめろぉ〜〜っ!ほんとなんだって!」


『でも、どうやって?タイムスリップなんて。ドラマじゃないんだから』


「ま、まあ…そこは幽霊の見せ所だ!」


……幽霊ってそんなこともできるわけ?


『それに僕は幽霊見えないよ?』


「大丈夫だ。その幽霊に俺の体に乗り移ってもらうから」


『そんなこと本当にできるんだ…』


小説とかドラマだけの話かと思ってた。まあ、昔の話にもそういうのはよくあるけど。



『ねえ、ここで?』


言っておきます、まだあの店の中にいます。


「だ、大丈夫のはず…だ。」


『自信ないんだね』


「う…。えっとだな。じゃ、じゃあ!……おねがいな?」


彼は、となりの席に目を向けてそう言い放った。
僕には見えないけど、多分そこに幽霊が座っているのだろう


言い終わると彼は正面を向いて、目を閉じる



『……?』



そして、彼が目を開いた時には