瀬川コーポレーションの取締役社長。


年齢は28。


私との年齢差、12歳。

なんでカリンとして会った私を保護したのか、父が私に暴力を振るっている事を何故知ってるのか。


目的もなく勘で降りた駅で、なんであの男の子が私に声を掛けれたのか。


「悪いが少し仕事が残ってる、あそこのボタンで人が来るから、必要なら押せ」


デスクの前に配置された応接セットのテーブルには小さなボタンが置かれていて、

それを指差しながら、私をそこのソファーに座らせて、膝に毛布を掛けてくれる。


「ここは無駄に広いから、冷暖房の効きが悪い、念のため使え」


この毛布、彼がここで寝たりしてるのかな。


女慣れしたようなさり気ない行動。


当然か。


腰に纏わりつく柔らかいソファーと、肌触りのいい毛布、鞄越し、大事な位牌の固い感触。


私の好きな、静けさが加わり、寝落ちてしまった。