男の子は、変わらずニコニコと私を見つめて、来るの来ないの?と顔で語っている。


行かなくてもこの子は止めないかもしれない。

でもこのまま終わりになるとは思えない。


本名はバレてなくても、私がcanadeで女の子をしていたのはバレている。


警察へ報告されたら、私は補導されるだろう。


私が付いていくと判断したのか、男の子は左手を差し出してくる。


「一応、僕も君を連れてこいって命令されてるから、逃すのは出来ない、強行手段にも出れるんだけど、女の子に対してあまりしたくないし、出来るなら、僕の手を取ってくれる?」


私はバカだけど、自分の身は自分で守ってきた。

殴られてるし、父親に触られてるし、年齢詐称の犯罪もしてるけど。


もう一つくらい危ない橋を渡ってもいいかな。


「……あれ、君も左利き?ダイジョブ、あの人は鷹だから」


鷹??


人差し指を掴んだ私を導きながら、背を向けて歩く男の子。