野獣の食事

今夜この公園に来ていた女の子達は全員クスリを買い求めに来ていたようだ。

どうりで晃を相手にしない訳だ。

他に目的があるのならば、しかも強烈な目的があるのならば晃に目がいかないのも納得がいく。

恍惚な表情を醸し出す女の子達を、晃は汚いものを見るように目を逸らした。

公園の片隅では未だに買い求める女の子と、それを売りさばく女の子がいる。

売りさばく女の子のもとへ足を進める。

見たところまだまだ若い。

おそらく１０代だろう。

売りさばくほうはクスリはしていないようで、ちゃんとした目付きをしている。

「…ちょっといいかなー…」

俯きながら声をかけた。

「…なに？…」

慌ててもっていたクスリをバッグに隠し答える女の子。

…さて、なんと言えばいいだろう。

少しの間沈黙が流れた。

おもむろに晃はその女の子を引き寄せると、キスをした。