ホテルを出ると、晃は煙草に火をつけた。

真っ暗なホテル街。ホテルの看板が薄暗く、辺りを照らす。

その中で、タバコの火が悠然と進んでいく。

「あーあ…。すぐついて来る女なんてあんなもんだろうなー。」

ポツリ、晃が愚痴をこぼす。

たった今まで一緒にホテルにいた女は、つい数時間前に出会ったばかりだった。

いわゆる、ナンパをしたらついて来て、食事をした後、ホテルに直行した。

美形で女顔の晃は、とにかくモテる。

街を歩けば、全ての女とまではいかないが、振り返り晃を見る。

そして、晃の事をカッコイイだとか、綺麗だと、噂し、羨望の眼差しで見つめる。

昔から、晃を取り巻く環境は、とにかく女が取り巻いていて、

今までに、女から晃が振られたことはない。

晃に近づく女は、いつでも晃目当て。

晃は、そんな環境が当たり前とさえ思っていた。