ズキンズキン...




昨日、大我君の前で倒れてからの記憶はない。


気づいたら、自分の部屋の布団に横になっていて。


お母さんが頑張って運んでくれたらしい。




「杏、今日一日は学校、お休みしようね?」



部屋の外から聞こえるお母さんの声に、私は うん、と言った。





「はぁぁ...」



休んでよかったかも。


体は元気だけど、心が痛い。



大我君への気持ちに気づけた瞬間、その気持ちは伝える間もなく死んでしまった。



生まれてはいけなかった感情。


伝えるのは無意味だった感情。




「好き、だったのになぁ」



ううん。


好き。




でも、過去形にしないと。



私は あなたと顔を合わせられない。