「...病気は...大丈夫なのか?」




教室へ向かう途中、先生が遠慮目に言ってきた。






他の生徒が もういないから、言えるこの話。




「は、はい...。

ですが、先生...」




「分かってるよ。

クラスには言わないでおく。」




私の心を見透かすように、先生は階段を登りながら言った。





「あ、ありがとうございます」









「音楽と体育の時は保健室に行くように。

いいな?」





目の奥をもっと細めて言う先生。





優しい。どっかの誰かさんと大違い。







まぁ...もう会わないけどね。