コンコン



「し、つれいします...」





迷いながらも 10分程で到着した先は 職員室。



出入口に近い席の教師達が一斉に私を見た。





「ぇ、えと...入学...してきました」




少し遠慮がちに言うも、先生達には聞こえなかったらしい...。




今頃、入学 なんて言うのは変だったかな。





もう...九月だもんね。


でも仕方ないもん。



「あ、飯倉!

こっちこっち!」



すると、少し奥の方で手招きする1人の男性。




私のクラスの担任だ。






メガネの奥から見える目が 優しく、生徒の人気は絶対そうな 奥寺先生。








ペコっとお辞儀をしてから、先生の元へとゆっくり歩く。







「おはよう、ございます...。
これからよろしくお願いします。」





「あぁ!よろしくな!

さっそく、教室行くか!」




太陽の光に重なる先生の笑顔には、私への歓迎の気持ちが表れていた。