イケメンの基準は分からないけど...。



こんな人じゃないかな。



自分の直感がそう言っている。





こげ茶までいかないほどの、明るい髪に...少しトロンとした目。




でも、目の色は黒くはっきりしていて。




ほどよく厚い唇に高い鼻が整っている。







「...そんなに見られると、照れちゃうんだけど...？」




見とれてしまっていた その顔の口が開いた。




不敵に笑ながら私を見つめる。





「い、いえ...。」





「この顔、好き？」






この人は、イケメンだ。




顔もそうだけど...それ以上に、とっても優しい。






知らない人を助けてあげて。



私がどうして欲しかったかも察してくれた。





「...嫌いでは...ない、です。」






本人に言うのは恥ずかしい。


好きって言ったら変人だよね。


好きとも嫌いとも言わない曖昧な言葉で、私は乗り切った。


少し赤面しているのが、自分でもわかった。