「ちょっと背中、ごめんね?」
スッ...スッ...
突然、背中を上から下に擦ってくる手にと
優しい声に驚く。
その手は、首下から腰まで、ゆっくり擦ってくれる。
一定のリズムで、優しく。ゆっくりと。
赤く染まっている物を、青く鎮めてくれるみたい。
手は冷たいのに。擦り方は暖かい。
怖いはずなのに...なんか落ち着く。
あれ?胸の圧迫も...発作も静まってくる。
...だれ?
少し落ち着いた所で、気になったから後ろをそろっと見る。
「...落ち着いた?可愛子ちゃん」
ニコッとする その人は...初対面の人で...。
って...か、かわいこちゃん!?
た、確かに落ち着いたけど...。
この人、誰!?
「うん。落ち着いた顔してるね」
「ひゃっ...!」
発作は落ち着いたけど、また違う発作が静まらない。
だって、この人が突然...
「俺の手、冷たかった?」
私の頬に右手を置いて、左手で唇をなぞって来たんだもん。
「ぃや...そういう事じゃなくて...」
「...声も可愛いね。」
「...そんなこと...。」
また、目を細めてニコッとする男性。
すっごく大人っぽい...。
大学生...?かな。
でも、初対面で声を褒めてなんて聞く人いるんだ。
.....今の大学生さんは 皆 こんな感じ?
よーく顔を覗いてみる。
顔を半分に見てみたら...左右対称。
すっごく綺麗な顔だなぁ。
って、この人...世にいう『イケメン』って人じゃない!?

