朝日は怒っていた。
もう、何が何だか、理解したく、なかった。

「お姉様が。」

私が、と朝日は顔を上げた。
鼻も赤くて、それが常磐には滑稽だった。

「だって、お姉様の母様なんて、受領じゃないの。卑しいわ。それに比べたら、私は落ちぶれてはいたけれど、皇女の娘よ。」