「私を女房風情と見違えるとは、無礼な!」

床に、扇が跳ねた。
常磐がその若い男の顔に、扇を投げつけたのだ。

それには、顔に過擦り傷を負わせ、常磐はとても立腹だった。

「馬鹿なことを、申し上げますわね!この姫は私の姉姫よ!」

男は驚いた。朝日に至っては、目が虚ろになっている。

「それに、私はお姉様の異母妹だけれど、私の方が、生母の身分は高いのよ!よく、馬鹿になさいますな!」

常磐は怒りに狂って、男を罵っている。

「それに、何?才色兼備なお姫様?その噂の幾らかは、私のものだわ。」