今宵も、私は独り。

嗚呼、美しき月よ。

誰も私を哀れんではくれないのに。

御前は、私を、更に悲しくするのね。
その美しさで魅力して。

月見れば 千々にものこそ 悲しけれ
 我が身ひとつの 秋にはあらねど

何の為か、辛い憂き世を、慰めたいのか。

漏れ出る月灯りにてらされて。

私は今日も、また、独り、こうして琵琶を掻き鳴らして。

生きていたいとは、思わないのに。