俺は……、俺はこのまま引き返すしかないんだろうか? ナツキの指は自分の踵にあるダイヤルへと伸ばされていた。出力を最大にするためだ。 振り切るほどに回したダイヤルから、シュタールアイゼンのライトブルーのラインはより一層に輝きを増す。 「シノミヤ、ノアの事は頼むよ!」 「あっ!おい、ナツ!」 シノミヤの声は届いたが、ナツキは彼の引き留めようとする声を聞くことはなく、アリスの元へ最大出力で向かった。