気まずい空気に耐えられないとばかりに、リュカはいつもの口調を保とうとしている空元気な声だけがナツキの部屋に響いてからは、彼はシノミヤの指示通り直ぐに出ていってしまう。 リュカの足音が遠退くまでは聞こえていたものの、気まずい沈黙は再び訪れた。 いや、気まずいというには語弊がある。少なくともナツキにとって、気まずさの中に罪悪感は無い。 寧ろ明白なのは目の前の人間に対する怒り、のみである。