落ち着こうと何度も自分自身に言い聞かせながら、微かな期待や恐怖を持ちつつ声をかける。 「の、ノア……?」 返事はない。勿論ノアならばナツキの声は届かないので意味はないが、この状況を整理するには誰かの確認を取りたかった。 「もう。他の子の名前呼ぶなんてダメだよ。ほら、こっち向いて……」 流暢に喋る事からノアではないとナツキは気づいたら瞬間に、ルームライトに手を伸ばして明かりを付ける。 「シノミん…………え?」