彼等の話が一向に見えてこないので、ナツキの不安さは更に増していくばかりだ。羽柴はナツキに視線だけは一度向けたが、説明してくれる素振りはない。






軽く肩を叩かれて振り返ると小声でリュカが説明を付け加えてくれた。





「なっつんは、西部の事を何も知らないんだろうけど、他所の支所とは少し違うんだよ。ボクらが居る西部には戦闘の他に実験や開発が行われてる場所があるんだ。そこの元管理者がずっと前から行方不明でね。ボクらは、彼の捜索もしなくちゃいけない」






「実験と、開発って……まさか」





ナツキには直ぐに二人の顔が浮かんできた。ノアとアリスだ。理解したのだとリュカも察したのか、眉を下げて微笑んだ。






「そう。対進化生物(ハーフタイプ)は、西部支所で作られているんだよ。そして、ボクは今の研究室(ラボ)の管理者なんだ」