捜索に向かった二人から批難を浴びて面白くなさそうに、またも瞳を細めると咳払いを一つしながら、緊張感を演出しようとしているようだった。





「話は逸れたが、わしは西部支所を任されとるバジルじゃ。さて、今回ここに来たのは……」





「羽柴さんみたいに偽名使わないんですね。ご兄弟なのに」





てっきり信長やら家康などと名乗ってくる事を考えていたが、意外だ。






「あんなどこぞの馬の骨とも分からん奴の名前から取るぐらいなら、わしは好きな物を名乗ろうと思ってな!」





がははは、と笑いながらあっさり偽名と言う事を明かしてきた上に偉人すらも彼にとっては、どこぞの馬の骨扱いとは色々な意味で肝が据わっている。






これ以上のツッコミは無意味だと判断したナツキは、バジルの話を聞くことに徹した。





「そう、ここに来た理由は三つある。一つは弟に助言と二つはアンラッキー坊主。お前じゃ」




「俺に?」




まさか主な理由が自分自身にあるとは思っておらず、ナツキ首を傾げた。




バジルは一旦ソファーまで戻り箱を持ってきたのである。