真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~

呆れられているんじゃないかと、小さくなって怯えていた私の心に彼の言葉はスーッと溶け込んで、またしても安心感と温かさを胸いっぱいに届けてくれた。

彼の傍にいたい。

これ以上ないくらいに、強く思った。

こんなに誰かを求めたことなんて、今まであっただろうか?

そう自分に問いかけた時、子供の頃私を置いて出て行った母の顔が浮かんだ。

私は母に愛されていると信じていた。

だけど、それは違った。

母は私に嘘をついて、私を捨てた......。

その事実は今でも私を苦しめ続けている。

もう誰も信じられなくさせている。

それなのに、

彼のことは信じたい。

そう思うのは、広務さんは今まで知り合った男の人とは全く違う感情を私に教えてくれているからだ。

......でも、母親にさえ愛されなかった私が果たして赤の他人の彼に愛される?

「広務さんは、本当に優しいですよね......」

彼は暑さで又、私の具合が悪くなるといけないと考えてくれて、わざわざ花火大会の有料駐車場を出て車の中からでも花火が見えるようにと、この森林公園まで連れてきてくれた。

彼の優しさの真意を知りたい。

だけど、ストレートに聞けないのは拒否された時に、受け止める勇気が持てないから。

「......好きな女(ひと)には当然、優しくしたいですよ。本当は花火を見た後で、伝えるつもりだったんですけど......。もう、気持ちの抑えが利きません。さっき倒れた優花さんを見た時に俺、絶対に守りたいって思いました」

あれほど待ち望んでいた彼からの言葉が、まさか本当に自分に向けられるなんて信じられない。

私は嘘みたいな彼からの言葉に、頭が真っ白になった。

驚きのあまり現状を受け入れらずに呆然としている私へ、彼はしっかりと視線を合わせると私の瞳を強く見つめながら言った。

「俺、優花さんの事が好きです。結婚を前提にお付き合いしてください」