相変わらず。悩ましげな表情で私を見つめて誘惑してくる彼。
熱に浮かされて、ボーッと立ち尽くす私へ次第に彼の行動はエスカレートしていった。
今までギュッと私の左手を握っていた彼の右手は離されて、今度はどんどん上へ上がって行き、やがて私の火照った頬に触れた。
「熱い。やっぱり......!」
私の頬に触れた彼は、そう言って。今まで下げていた眉尻を平行に戻し、代わりに眉頭を寄せた。
先ほどの悩ましげな表情から一転して真剣な顔つきに変わった彼を見た私は、きっとキスされるんだと思い、静かに瞼をとじた。
というか。
自分の意思とは関係なく。勝手に瞼が重くなり、眼を開けていられない状態になった。
そして、今度は足に力が入らなくなってきた。
それでも。なんとか踏ん張ろうとして姿勢を正そうとした時、自分の閉じられた瞼に、ものすごい光を感じた。
それが太陽光だと理解すると同時に、私は自分の顔が天を仰いでいることを悟った。
どうして、私の顔は上を向いているのだろう?とにかく前を向かなければ。
そう思い、体勢を整えようにも体が言うことをきかない。
ああ。そっか。
私は後ろに倒れようとしてるんだ。
......もうダメかも。
そう覚悟した時、ふわっと身体が宙に浮いた。
なんだろう?
私を包み込む。この温かくてしっとりとした、弾力のある物体は?
正体を確かめようと。私は重い瞼を精一杯持ち上げて、薄目を開けた。
すると、目の前に広がったのは一面、肌色の景色。
人肌だ。
後ろに倒れかかった私を誰かが抱きとめてくれたんだ。
良かった。救われた。
そう思った私はすっかり安心して、揺り籠のように優しい腕の中で再び瞼を閉じた。
熱に浮かされて、ボーッと立ち尽くす私へ次第に彼の行動はエスカレートしていった。
今までギュッと私の左手を握っていた彼の右手は離されて、今度はどんどん上へ上がって行き、やがて私の火照った頬に触れた。
「熱い。やっぱり......!」
私の頬に触れた彼は、そう言って。今まで下げていた眉尻を平行に戻し、代わりに眉頭を寄せた。
先ほどの悩ましげな表情から一転して真剣な顔つきに変わった彼を見た私は、きっとキスされるんだと思い、静かに瞼をとじた。
というか。
自分の意思とは関係なく。勝手に瞼が重くなり、眼を開けていられない状態になった。
そして、今度は足に力が入らなくなってきた。
それでも。なんとか踏ん張ろうとして姿勢を正そうとした時、自分の閉じられた瞼に、ものすごい光を感じた。
それが太陽光だと理解すると同時に、私は自分の顔が天を仰いでいることを悟った。
どうして、私の顔は上を向いているのだろう?とにかく前を向かなければ。
そう思い、体勢を整えようにも体が言うことをきかない。
ああ。そっか。
私は後ろに倒れようとしてるんだ。
......もうダメかも。
そう覚悟した時、ふわっと身体が宙に浮いた。
なんだろう?
私を包み込む。この温かくてしっとりとした、弾力のある物体は?
正体を確かめようと。私は重い瞼を精一杯持ち上げて、薄目を開けた。
すると、目の前に広がったのは一面、肌色の景色。
人肌だ。
後ろに倒れかかった私を誰かが抱きとめてくれたんだ。
良かった。救われた。
そう思った私はすっかり安心して、揺り籠のように優しい腕の中で再び瞼を閉じた。


