真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~

のちに事情を知った祖母は母に対して露骨に怒りと嫌悪をぶつけて、私を母から匿うようにして育てた。

祖母と、祖父にはもちろん感謝している。自分達とは血が繋がっていないかも知れない私に精一杯の愛情を注いでくれた。

だけど、私はその愛情の根源を両親に求めていた。

父は母が私を残して去った後しばらくすると、どうやら恋人ができたらしく家を空ける日が多くなった。

月末になると、もう誰も座らないダイニングテーブルに、まとまったお金と走り書きのメモが置かれている以外に父の痕跡を家の中に見つけることはなかった。

そういう父と私は実際のところーー血の繋がった、親子だった。

祖母が密かに父と私のDNA鑑定をしていた。その事は私が高校生の時に知った。

しかし当時、何も知らない幼い私は無感情にお金だけをくれる父よりも、出て行くその日までいつも笑顔で優しかった母を待ち続けていた。

そして、母恋しい気持ちは、やがて時間が経つにつれて深い傷となった......。

「私はお母さんに、捨てられたんだ......」

私が日本で孤独と悲しみに暮れる中、かの母もアメリカで底なしの孤独感と、激しい喪失感に苛まれながら終日自分を責め続けて永い永い一日を乗り越えていた。

「あなたのお父さんとは、ここニューヨークで出会ったの。でもその時、私には他に好きな男(ひと)が居て......。彼とはずっと友達以上、恋人未満の関係だったわ。そんな煮え切らない関係を続けている私をあなたのお父さんは見兼ねて、自分が仕事の都合で日本へ帰国する時に、一緒に日本へ行こうと言われて......、プロポーズしてくれたの」