真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~

彼こそ、”お腹の子の父親”

私を身籠った時、母はそう確信した。

しかし、その事実を彼に伝える事もなく、母は父と結婚し、ほどなくして私が産まれ、その後の十年間を何処と無くぼんやりとした気持ちを抱えながら過ごした。

父と母と私ーーという家族に鮮明な絆を見出せなかった母は、ついに私の実の父親と思しき男性のもとへと旅立った。

アメリカへ向かう飛行機の中で様々な思いをめぐらせていた母の心を一番強く捉えていたもの、それは"お母さんは、すぐに戻ってくる”と、信じてやまない幼い娘を欺き、日本へ残してきてしまったことだった。

もちろん、彼に”あなたの子供を産んだの......”そう伝えたら、すぐに日本へ帰って娘を迎えに行く。

そうする。......その、つもりだった。

そうしたかったーー。

けれど、真実は酷い現実を母に見せつけてきた。

彼を追ってアメリカへ渡ったはいいけれど。来る日も来る日も彼の消息を辿っても、彼と再会することは結局叶わなかった。

母がアメリカで見つけた彼は、すでに既婚者だった。

彼に家庭があると知った母は、失意にかられながらも父と離婚して女手一つで育てる覚悟を決めた。

そして、私を迎えに再び日本へ戻った、けど......。

「ひとたび我が子をおいて、勝手に外国へ行った人に優花は渡せない。それから、この子はね。れっきとした私の孫よ......!!」