ーー市役所での人前結婚式が終わり、晴れて夫婦となった私達は今日の式の唯一の参列者である私の母と三人で食事へ。
母は前菜のスズキのカルパッチョをフォークで刺しながら頻りに私の花嫁姿を褒めてくれた。
「ヴィンテージのドレス素敵だった。とってもよく似合ってたわ」
「ありがとう。お母さん」
私が自然な笑顔を浮かべて応えると、母は少し俯き何だか申し訳なさそうに、こう言った。
「広務さん、優花ちゃん今日は本当におめでとう。まさか......こんな私が二人の結婚式に参列できるなんて夢にも思わなかったわ.......」
「真綾さん、何をそんな......」
「お母さん......」
「あっ、嫌だ私ったら、今日は二人が主役のおめでたい日なのに! 歳をとるとやけに感傷的になるのかしらね......っ」
”あははっ”と、笑い明るい空気を作ろうと努めていた母だったけど、なぜか私には母の気遣いが少し切なく感じたーー。
というのも、母と再会を果たしてすぐに母がなぜ私を置いてアメリカへ渡ったのかその真実を知ったから。
ーー私は母に捨てられてなどいなかった。
今こうして私の隣で笑う母。だけど、私と再会するまでの約二十年の間、母の人生に笑顔は乏しかった......。
父と結婚する前、母には他に好きな男性がいた。
母は前菜のスズキのカルパッチョをフォークで刺しながら頻りに私の花嫁姿を褒めてくれた。
「ヴィンテージのドレス素敵だった。とってもよく似合ってたわ」
「ありがとう。お母さん」
私が自然な笑顔を浮かべて応えると、母は少し俯き何だか申し訳なさそうに、こう言った。
「広務さん、優花ちゃん今日は本当におめでとう。まさか......こんな私が二人の結婚式に参列できるなんて夢にも思わなかったわ.......」
「真綾さん、何をそんな......」
「お母さん......」
「あっ、嫌だ私ったら、今日は二人が主役のおめでたい日なのに! 歳をとるとやけに感傷的になるのかしらね......っ」
”あははっ”と、笑い明るい空気を作ろうと努めていた母だったけど、なぜか私には母の気遣いが少し切なく感じたーー。
というのも、母と再会を果たしてすぐに母がなぜ私を置いてアメリカへ渡ったのかその真実を知ったから。
ーー私は母に捨てられてなどいなかった。
今こうして私の隣で笑う母。だけど、私と再会するまでの約二十年の間、母の人生に笑顔は乏しかった......。
父と結婚する前、母には他に好きな男性がいた。


