自責の念とともに羞恥心が胸に渦巻いて、私は身をすくめて隠れるようにタクシーに籠った。
遠慮がちに窺った車外の景色は、乱立する建物の隙間から青空が覗き太陽の光が差し込んで、乾いた風がビルと大衆の往来を颯爽と吹き抜けていた。
その様子に改めて、ここニューヨークが大胆かつ広大な街だと思い知った。
老若男女、多国籍、様々なファッション、髪型、親子連れ、友人、恋人、一人......。
眼に映る誰もが自己肯定感に満たされていて、堂々と歩いているように見えた。
そして、それらの街ゆく群衆と立ち並ぶビルと青空はニューヨークという街と一体だと分かり、強い疎外感に襲われた。
私はまだ、堂々とこの街を歩けるほど自立できていない......。
母に日本に置き去りにされた時の傷は癒えていない。
だから、私......お母さんに会いたいんだ。
そう気がついた時、瞳に映った窓辺の景色は滲んでいた。
私は運転手に悟られないように、そっと俯いて涙を拭い、それからまた窓の外に目をやって目的地までの時間を過ごした。
車内での20〜30分間は動悸とも鼓動とも区別がつかない心臓のリズムをなんとか落ち着かせようと努めながら、同時に約20年ぶりとなる母との再会へ向けた心境を整えるのに必死だった。
訳ありの母娘の再会は、たった数十分間で心の準備ができるわけもなく.......。
『着きましたよ』
遠慮がちに窺った車外の景色は、乱立する建物の隙間から青空が覗き太陽の光が差し込んで、乾いた風がビルと大衆の往来を颯爽と吹き抜けていた。
その様子に改めて、ここニューヨークが大胆かつ広大な街だと思い知った。
老若男女、多国籍、様々なファッション、髪型、親子連れ、友人、恋人、一人......。
眼に映る誰もが自己肯定感に満たされていて、堂々と歩いているように見えた。
そして、それらの街ゆく群衆と立ち並ぶビルと青空はニューヨークという街と一体だと分かり、強い疎外感に襲われた。
私はまだ、堂々とこの街を歩けるほど自立できていない......。
母に日本に置き去りにされた時の傷は癒えていない。
だから、私......お母さんに会いたいんだ。
そう気がついた時、瞳に映った窓辺の景色は滲んでいた。
私は運転手に悟られないように、そっと俯いて涙を拭い、それからまた窓の外に目をやって目的地までの時間を過ごした。
車内での20〜30分間は動悸とも鼓動とも区別がつかない心臓のリズムをなんとか落ち着かせようと努めながら、同時に約20年ぶりとなる母との再会へ向けた心境を整えるのに必死だった。
訳ありの母娘の再会は、たった数十分間で心の準備ができるわけもなく.......。
『着きましたよ』


