真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~

感傷に浸りきって、たとえ食欲が落ち込んだとしても今日ばかりは、しっかりと朝食をとらなければ。

「うわぁっ、すごい......! ニューヨークの朝ごはんて、なんとなく想像はしてたけど、やっぱりボリュームが半端ない!食べきれるかなぁ」

ニューヨークブレックファースト。その全貌は、憧れのケーキホール食いに匹敵するくらいの、ハイカロリーと甘い誘惑満載の、まさしく乙女の夢。

手のひらよりも大きなパンケーキが三つも重なったパンケーキタワーの上に砂糖がたっぷり入ったホイップクリームが添えられて、アクセントにはシロップ漬けのオレンジ、さらに、その上に流れるハニーメープル。

「う〜んっ、最高」

「幸せそうな顔。その顔見れただけでも、ニューヨークに連れてきて良かった」

胸が一瞬、”ドキンッ”と鳴った。

そうしたら、ときめきに抗う自分が反射的に口をついた。

「......ジッ、ジークはパンケーキ食べないの?」

「オレの分も食べて。もう一度、今の幸せな顔見せてよ」

頬づえをつきながら少し上目づかいに悪戯っぽく言われて、普段は中々見せないジークのやんちゃさに母性本能がくすぐられて、胸の鼓動が一気に加速した。

やばいっ。私、顔赤くなってないかな......!?

「あ、優花クリームついてるよ」

わざとなのか、どうなのか。

顔を赤くして目線を外した私をジークは余計からかうみたいに、嬉しそうに口元についたホイップクリームを指先で拭ってくれた。

一体、この展開どうなってるの!?

なんだか私、生まれ変わったみたいにジークに対する感情が変化してる......。