彼女の会社付近に着くと近くの立体駐車場に車を駐めて時間が過ぎるのを待った。
30分以上も待機時間があり、尚且つ準備万端整っているというのに、次から次へと気になる事が頭の中に浮かんで時間が過ぎるのが、とても早く感じた。
今日予約したレストランのコースに、彼女の苦手な食べ物は入ってなかったか?
トランクにしまったバラの花束は一輪も萎れずに活き活きとしているか?
俺が選んだエンゲージリングを彼女は気に入ってくれるだろうかーー?
あれこれと考えていたら随分と時間が経っていたようで、突如大音量で鳴ったスマホのアラームに急かされてカーステレオのデジタル時計を一瞥すると、4時45分と表示されていた。
よしっ、いざ出陣だーー!
俺は車から降りるとエレベーターは使わずに階段を駆け下りて外に出た。
夜の帳が降り始めた都会の街は昼間よりも色彩が豊かで、特に、この真冬の季節は街路樹に電飾が施されていて何とも美しい。
道すがら映えるイルミネーションを横目に彼女を迎えに行った俺は目的地に着くと、ガラス張りのロビーを背にして正面入り口から仕事終わりの彼女が出てくるのを待った。
この時、優花には悪いけれど......、俺は彼女が自称”お茶汲みOL”で、心底良かったと思った。
もし、彼女が毎日残業しなければならないような立場だったなら、仕事帰りに、こうしてデートすることは叶わない。
そして、何よりも。彼女が毎日仕事に追われているような状況だったら、いつか過労で身体を壊すのではないかと心配だ。
......それにしても、優花の事となると俺は本当に過保護だな。
自分の溺愛ぶりが照れ臭い。......早く優花に会いたい。
もう、そろそろ出てくるはずだ。
ガラス張りのロビーの奥に目を凝らすと、彼女らしき女性が見えた。
正面入り口に近づくごとに、はっきりと見えてくるその姿は間違いなく優花だった。
「優花っ!」
俺は彼女が会社を出たタイミングを見計らって笑顔で声をかけた。
30分以上も待機時間があり、尚且つ準備万端整っているというのに、次から次へと気になる事が頭の中に浮かんで時間が過ぎるのが、とても早く感じた。
今日予約したレストランのコースに、彼女の苦手な食べ物は入ってなかったか?
トランクにしまったバラの花束は一輪も萎れずに活き活きとしているか?
俺が選んだエンゲージリングを彼女は気に入ってくれるだろうかーー?
あれこれと考えていたら随分と時間が経っていたようで、突如大音量で鳴ったスマホのアラームに急かされてカーステレオのデジタル時計を一瞥すると、4時45分と表示されていた。
よしっ、いざ出陣だーー!
俺は車から降りるとエレベーターは使わずに階段を駆け下りて外に出た。
夜の帳が降り始めた都会の街は昼間よりも色彩が豊かで、特に、この真冬の季節は街路樹に電飾が施されていて何とも美しい。
道すがら映えるイルミネーションを横目に彼女を迎えに行った俺は目的地に着くと、ガラス張りのロビーを背にして正面入り口から仕事終わりの彼女が出てくるのを待った。
この時、優花には悪いけれど......、俺は彼女が自称”お茶汲みOL”で、心底良かったと思った。
もし、彼女が毎日残業しなければならないような立場だったなら、仕事帰りに、こうしてデートすることは叶わない。
そして、何よりも。彼女が毎日仕事に追われているような状況だったら、いつか過労で身体を壊すのではないかと心配だ。
......それにしても、優花の事となると俺は本当に過保護だな。
自分の溺愛ぶりが照れ臭い。......早く優花に会いたい。
もう、そろそろ出てくるはずだ。
ガラス張りのロビーの奥に目を凝らすと、彼女らしき女性が見えた。
正面入り口に近づくごとに、はっきりと見えてくるその姿は間違いなく優花だった。
「優花っ!」
俺は彼女が会社を出たタイミングを見計らって笑顔で声をかけた。


