真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~

お茶汲みOLの思考は、やはりキャリア志向とは程遠く。特別に重要な仕事を抱えていない私は勤務時間中ずっと、現在自分の身に起こっている問題と人知れず向き合っていた。

週始めのオフィスは休日に停止していた業務を遂行するため、社員が騒然と動き回り、会議や外回りで空席のデスクが目立つ。

人が退いたオフィスは閑静で、特に課長が席を外しているともなれば、緊張感をより削がれて心ここに在らずの状態に拍車がかかる。

......ジークと寝たのはいつだっけ......?

ーー広務さんに抱かれる4日前だ。

もし、本当に妊娠してたら、お腹の子の父親は間違いなくジークで、その時点で広務さんとの未来は断たれる。

こんな事態にもかかわらず、私は胎内にひっそりと宿っているかもしれない小さな命よりも、自分の要求を優先に考えていた。やはり、母親になったかもしれないと仮定しただけでは良い母親にはなれないのだろうかーー?

それとも。愛してない男(ひと)の子だから......。

ここで黙って考え続けていても、いずれ時が来れば答えは明確になる。だけど、その時ではもう遅い。

まだ少し早いかもしれないけれど、今日、仕事が終わったら薬局に行って妊娠検査薬を買おう。

独りで......。