すぐ迎えに行くと言ってくれた彼を待つこと5分。
ーーそろそろ、出ていった方がいいよね。
彼が到着するまでの5分間で化粧直しも済ませた私は最後に姿見で最終チェックを終えて、いそいそと玄関を出ると軽い足取りでエレベーターに乗り込んだ。
エレベーターの階数ボタンが時間を追うごとに一つずつ下がっていく。
それなのに、到着の合図である彼からの電話は、かかって来ない。
どうしたのかな?広務さん。道路混んでるのかな?それとも、
まさか......事故!?
広務さんからの電話が、かかって来ないことに大きな不安を覚えた私は居てもたってもいられずに、スマホの発信ボタンを素早くスクロールした。
すぐに聞こえた呼び出し音に、ほんの少しだけ胸を撫で下ろしたのも束の間、肝心の彼が電話に出ない......。
私は胸騒ぎを抱えながら、エレベーターがエントランスに着くまでの間ずっとコールを鳴らし続けた。
それなのに。結局、彼と繋がることはなく。独りで広いエントランスに降り立った私はスマホを握りしめたまま、辺りを落ち着きなく彼の姿を探した。
広務さん、今どこにいるのかな......?
四方八方に視線を送り、彼が到着していないか探していると、エントランスの入り口に見知った男性の後ろ姿を発見した。
ーージーク......!
そして、その斜め向かいに居るのは......広務さん!
「浮気者、こんな朝っぱらからノコノコと優花に会いに来たのか?」
「人を浮気者呼ばわりするとは相変わらず、いい加減なことを言う奴だな」
ーーそろそろ、出ていった方がいいよね。
彼が到着するまでの5分間で化粧直しも済ませた私は最後に姿見で最終チェックを終えて、いそいそと玄関を出ると軽い足取りでエレベーターに乗り込んだ。
エレベーターの階数ボタンが時間を追うごとに一つずつ下がっていく。
それなのに、到着の合図である彼からの電話は、かかって来ない。
どうしたのかな?広務さん。道路混んでるのかな?それとも、
まさか......事故!?
広務さんからの電話が、かかって来ないことに大きな不安を覚えた私は居てもたってもいられずに、スマホの発信ボタンを素早くスクロールした。
すぐに聞こえた呼び出し音に、ほんの少しだけ胸を撫で下ろしたのも束の間、肝心の彼が電話に出ない......。
私は胸騒ぎを抱えながら、エレベーターがエントランスに着くまでの間ずっとコールを鳴らし続けた。
それなのに。結局、彼と繋がることはなく。独りで広いエントランスに降り立った私はスマホを握りしめたまま、辺りを落ち着きなく彼の姿を探した。
広務さん、今どこにいるのかな......?
四方八方に視線を送り、彼が到着していないか探していると、エントランスの入り口に見知った男性の後ろ姿を発見した。
ーージーク......!
そして、その斜め向かいに居るのは......広務さん!
「浮気者、こんな朝っぱらからノコノコと優花に会いに来たのか?」
「人を浮気者呼ばわりするとは相変わらず、いい加減なことを言う奴だな」


