「くぅぅ〜っ あっ!なの...えっ、どうしたの?」
桃音が起きたらしく、なのの元へ行った。
しかし、まもなく桃音も口に手を当てて固まってしまった。
「なの...なの...平気...?大丈夫...?」
ただひたすらに動きも喋りもしないなのを心配し続けた。
「...あ.....桃音ちゃん...。」
桃音は、なのが泣いていることに気がついた。
「大丈夫...!私たち、生きてるだけで奇跡なんだから!ほら!頑張って生きよう!私たちの手で、こんな憎い戦争止めようよ!」
桃音は少し遠くを見たあと、なのの手を握っていつものように明るく言った。
「...うん...!」
なのも、桃音に笑みを向けた。
涙混じりの、少し引きつった笑みを。