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ウィイイイイイイイイイイインンン.......
突然空気を叩き割るように耳を劈くサイレンが響いた。
その、得体の知れない恐怖を生み出す和音と共に、人の声じゃないみたいに無機質な放送が流れた。
「国民保護警報。国民保護警報。敵国よりミサイルが発射されました。国民は命の安全を優先して、直ちに地下へ潜るか、頑丈な建物の中に避難してください。国民保護警報。国民保護警報...」
何度も何度も、機械的に同じことを繰り返す放送が流れる。
「どうしよう!この辺、何も無いよ...?」
言うまでもない。この辺一体には草原しかないのである。どこを向いても、芝生。芝生。芝生。

「放送によるとミサイル到着まで約5分...とりあえず走るよ!きっと、学校の跡地とかがあるはず!」
美羽を合図に、5人は必死に走った。とにかく、何か言って場合じゃない!

「...みんなっ!あそこに何かあるよっ!」
美羽が指さす方向に、何やら建物のようなものが見える。
5人は無我夢中で走っていった。時間が無い!