「んん〜!あまぁ〜い!!」
「そんなに早く食べたら、早く終わっちゃうよ〜」
「だってお腹すいてんだもん!」
幸子は、美味しそうにチョコレートを食べる桃音を見つめながら考えた。
「これが、在り来りの幸せってやつか...」

ありきたりの幸せ。
毎日、ご飯を食べれること。
毎日、友達と笑い合えること。
毎日、大切な人と過ごせるということ。
幸子は、これがどんなに幸せなことか身を染みて感じた。
「ねぇ、美羽。
明日も...こんなふうに、笑えるかな?」
「きっと、笑えるよ!」
美羽の優しい声が聞こえた。