美羽の賢い判断のおかげで、5人はどうにか無事に高校から出ることが出来た。
だが、油断はできない。まだ近くにはたくさんの軍隊が彷徨いているからだ。
学校は、何かと人の集まる場所だから狙われて当然の場所なのである。
「...ねえ、美羽、どうする?」
「...もっと、ここから離れよう」
「...そうね」
幸子と美羽は相談し、ここから離れること、つまりこの市から出ていくことを決意した。
「みんな!よく聞いて!私達は、ここから離れる必要があるわ!少しでも軍隊の少ない、安全な場所を目指して歩くの!恐らく、北...つまり、田舎の方は、この辺よりは居ないはずよ!」
二人の提案を受け入れた5人は、北を目指して歩くことにした。長い道のりの、最初の一歩を踏み出した。