私に恋した誘拐犯

シチューを、器にいれて、

綺麗に並べる。


うん、見た目良し。



すぐに、ハギが来て、


「うまそう」なんて言いながら席についた。




抱きしめたわりには、普通だなあ。

好きな子、抱きしめて、ドキドキしないもんなのか?

まあ、大人だし、ね。


シチューを、すくい、頬張りながらも、味は全然わかんなかった。



ハギは、一口食べる事に、

「うまい」とか、うんうんとうなづいてくれた。


ほんと、いいひと。



シチューを食べ終わって、

ハギは、またコーヒーを入れてくれた。



でも、昨日みたいに、

優しい笑顔じゃあなかった。





真剣な顔。