お風呂にも入って、

パジャマはハギのを借りた。


本来なら、ブカブカで彼Tシャツみたいになるんだけど、

ハギは、だいぶ細いみたいで、ほぼほぼぴったしだった。



それでも、ハギは「かわええなあ」と、目を細めた。



「明日はどうする?何時に帰る?」




そのハギの言葉に、なぜか胸が寂しくなった。


帰りたくない。


私ってば、いつのまにか、楽しくなってた。



誘拐されたのに、

居心地が良かったんだ。





「…たくない」



「え?」



「帰りたく、ない」