私に恋した誘拐犯

「はい」


真っ白のコップには、

優しい色のコーヒーが入っていた。



「ん」

おいしい。


なんか、懐かしい味…



「喜んでくれてなによりや」

ハギは、目尻を細めて笑った。



ハギ。


あなたは誰なの?



「今日はなにたべたい?」

ハギは、料理もできるみたいで。


「オムライス」

って言ったらとろとろふわふわの、オムライスを作ってくれた。



何でこんな完璧なひとが───


「ハギ、彼女いないの?」