洗面所。


冷たい水を、手のひらにためる。


「ん」


冷たさにかおをゆがませながらも、

顔をじゃぱじゃぱと、洗い、

薄い青色のタオルで水を拭った。


「はぁ…」

今日はなんか、テンションあがんないなー。


リビングの扉を開けると、

ソファーでは、

お母さんと、知らない男の人が、

寄り添って寝ていた。



吐き気をおぼえつつ、

できるだけ音を立てないように朝食を準備した。


トーストを3枚。

目玉焼きを3つ。もちろんベーコンも。

昨日、コンビニで買ったポテトサラダのあまりを、3つの小さいお皿に盛り付ける。

ヨーグルトも用意。


いつからか、これが普通になっていた。


自分の分と、


母と、


知らない男の人と。