私に恋した誘拐犯

「ねえ、絶対に私のこと殺さないって約束してくれる?」


少しの沈黙のあと、


「当たり前やん、好きやねんから」



「は?」






すすすす、すき…?


「え?は?え?」


さらに、はてなマークが浮かぶ。


「なんやその変な顔」

そう言って、ハギは、私の鼻をツンって押した。



「…!?!?」


なん、なん、このひと…


「好きってなんで」



「さあ?てゆか、もうすぐ俺んち着くんやけど…ええん?」



いやいや!!!まって!!

まだおっけいだしてねえし!




でも、なんとなく、

この人は悪い人じゃあない気が、する。