私に恋した誘拐犯




「蒼井れい、高校3年生、11月6日生まれ、O型、母子家庭、母はバツ4、住所は───」





「なんで…っ!?」

彼は急に、

呪文のように私の個人情報を話し出した。



なんで、知ってんの……。


さっきまで感じなかった悪寒に身震いする。



「ね、このまま家に帰るか、俺のとこに来るか選んで」



人生の大きな選択。


たぶん、これが人生で最大だろう。



彼は悠々と、

コーラを飲んでいた。